2015年度 校長のごあいさつ

カンタベリー日本語補習校
校長 古川 明

 補習校の保護者の皆様、カンタベリー日本人会の皆様、そして、ニュージーランドにお住まいの日本人の皆様、お元気にお過ごしのこととご推察申し上げます。日頃より補習校の教育活動に際しまして、皆様から格別なるご支援、ご協力をいただき誠にありがとうございます。

 本校は、平成4(1992)年、4家族での日本語勉強会から出発し、平成6(1994)年には10家族の賛同者のもと名称を「日本語学習会」としました。平成10(1998)年4月に日本語補習校が開設されました。開設に際しては、日本人会、保護者、多くの在留邦人の皆様による、強力なご支援と要望、そして、日本の在クライストチャーチ出張駐在官事務所の温かいご指導とご支援をいただきました。皆様の強い熱意により開設された日本語補習校も、今年で18年目を迎えています。
 本校は、平成11(1999)年、日本政府から補習授業校と認可され財政的支援を受けるようになり、平成18(2006)年からは、文部科学省より校長が派遣されるようになりました。
 文部科学省は、「補習授業校は海外に数年間在留して現地校や国際学校などに通学する日本人の子どもに対し、土曜日や放課後などを利用して、再び日本に帰国し国内の学校に編入した際にスムーズに適応できるよう、日本国内の小学校又は中学校の一部の教科について、基礎基本を習得するための授業を国内で使用する教科書を用いて、日本語により行うとともに、日本の学校の学習習慣、生活習慣などを指導し、併せて日本の学校文化を体験させることを目的とする教育施設」、と明記しております。
 本校は、その目的にそって、土曜日に4時間、年間39週を授業日とし、合計156時間の授業時数のもと、教育課程を編成しています。指導教科は国語、算数・数学、社会(小5~中3)で、基礎・基本的な知識、技能の習得と学習方法の習得・活用を指導の重点とします。補習校祭り、音読発表会、集会(児童・生徒会が伝統行事等の紹介)、卒業式、入学式等の学校行事を通して、子どもたちに日本の学校文化や伝統、習慣を伝え思いやりのある子どもを育成しています。
 本校は、海外にある在外教育施設として教育効果を発揮しているかどうか、絶えず点検して、補習校教育の改善を図る目的で、平成25(2013)年度より保護者の皆様の協力を得て学校評価を実施しております。教育目標、教育計画等の実施状況や課題について、保護者、日本人コミュニティー皆様のご理解とご支援をいただき、相互の連携・協力を推進しております。なお、学校評価の集計結果と分析・改善策は、学校だよりに掲載しておりますのでご覧ください。
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 補習校の子どもたちは月曜日から金曜日まで現地校に通い、英語で現地校の授業を受けています。子どもたちは現地校の学習や生活において、様々な課題を乗り越えようと懸命に努力を重ねています。このような教育環境の中で、子どもたちの国語力(日本語力)を向上させるには、補習校へ継続して通学することが大切であり、それは家庭の教育方針に負うところが大きいです。補習校で学ぶ目的を絶えず親子で確認し合い、毎週の宿題に対する取り組みについては、保護者皆様の支援と協力が欠かせないものになっています。
 子どもたちを取り巻く教育環境は、各家庭によって差異があります。日本人としてのアイデンティティーをしっかり形成するため、日本語で考え、判断し、表現する力を育てることが重要と考えています。
そのため、自らの考えを持ち、深め、相手の意見や考えを最後までしっかり聞くことが大切です。そのことを通して、相手を深く理解するとともに、自分の気づかなかった考えや新たな課題を見つけることになり、多面的な考え方を学ぶことができます。
 本校の教育目標は、「学び合う喜び、高め合う喜びを身につけた、心豊かな児童・生徒の育成」です。子どもたち一人ひとりの良さを認め、ほめ、励ましながら、日本の言語や文化、歴史、習慣などを学び、日本人としてのアイデンティティーをしっかり身につけさせていきたいと思います。

 本校は、今年度パナソニック教育財団実践研究助成校に指定されました。学校教育目標を具現化するための手立てとして、ICT(情報通信技術)を活用しながら実践研究を行います。そのため、以下の研究課題と研究目的を設定しました。

  • 研究課題:「伝え合う力を育てる授業づくり~補習校でICTを活用した学び合い学習~」
  • 研究目的:「補習授業校の学びがより豊かなものになるようICTを活用して、自ら進んで学習に取り組み、互いに学び合いながら思考力、判断力、表現力を育てる授業実践を行う。」

 実践研究の内容は、ICTを活用して、子どもたちの学習意欲を高め、知識、技能の習得と学習方法の活用力を高めます。(1)小学部1・4年生では、国語科デジタル教科書を用いて授業実践を重ね、学習効果を追究します。(2)中学部では、教員と学習者(生徒)がタブレットPCを用いて、双方向の国語科授業実践研究を行います。また、授業実践を通して情報活用力を高め、日本語で考え、判断し、表現する力を高める授業を追究します。(3)小1~中3の各学級では、書画カメラを用いて子どもたちの学習意欲を高め、知識、技能の理解を促すとともに、思考力、判断力、表現力を高めます。(4)ICTを用いて日本の学校と交流授業を行い、同じ年代の子どもたちと意見や感想を交流します。(5)全教員がICTを活用した授業実践研究と、その後の研究協議会を行い、教員は互いに情報を共有しながら授業改善を進め、子どもたち一人ひとりは「確かな学力」を身に付けていきます。

 子どもたちは将来に夢と希望を抱き、目標に少しでも近づくため、懸命に努力を重ねています。子どもたちは国際人としての資質を磨き、子どもたちの生きる力を保護者皆様と一緒に育てていきたいと思います。
 今後も、カンタベリー日本語補習校で学んでいる子どもたちのため、皆様からのご支援、ご協力をお願い申し上げます。

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